はちどりはんな

ちっぽけだけど、それが何か?

空飛ぶクラゲは音の中にいる

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娘は言う、空飛ぶクラゲになりたい。

ああ、地に足をつけた暮らしがわずらわしい日は空をたゆたう時間も必要だよな。

 

正月、本当にこればかりはご縁というほかないが、Facebook で両片思いだった友人のお正月企画にすっかり便乗してしまった。

 

上野公園のすぐ近くに、気兼ねなく音を満喫できる建物がある訳です。音楽学校の近くにはこういう場所が結構あります。そこにはちょっと気難しいけれど、全てを真っ直ぐに音を出すピアノさんとその真っ直ぐさを活かしながら繊細に奏でるピアニストさんがおられたわけです。

それは文字通り音に遊ぶ、美しい空気にたゆたうようなそんな思いのできる時間でした。

 

そのピアニスト斎藤正樹さんはその部屋でミニコンサートを開いておられるのだそうです。

ピアノをとりまく歴史とその楽器の歴史が曲の歴史と二人三脚のように歩んできた道を、音と一緒に散歩するような感じで、優しい語り口で道案内をしてくれます。

手から紡がれる音もさることながら、楽器がよろこんでるときの空気の中に浸っているような思いがしました。この距離感でいい演奏を聴けるとはなんて贅沢なんでしょ!!

 

そして私のピアノをめぐる誤解も解くことができました。

私は時折ピアノの音が苦手なときがあったんですね。低音の鍵盤ってなんでカエルが潰されてしまうような音がするのか、ずっとわたしには疑問でした。あと耳に刺さるような音が聞こえるときもあって、そういうときは「ごめんなさい〜」←? という気持ちになってしまってたんですね。

あと音がなんだろう、多すぎるような気持ちがするというかなんというか、これは曲によるけど…

だから、ピアノって好きだけど好きじゃないみたいなとこがあったんです。

 

でもそれは理由があったんだってわかりました。そして、斎藤さんの演奏は音が音を邪魔せず、低音もきちんと鳴らせるピアノだったので、途中で現実に戻る必要もなくたゆたうことができるのでした。

 

それにしても、良い楽器ってやっぱり星の王子さまのバラのように絶え間ない愛が必要なんだわ。

良い楽器には適度な湿度と愛を。

 

またライブがあれば伺いたいなあと思いました。皆さまもどうぞ。

改めて友人には感謝、感謝です。